以前ブログでも紹介しましたラロックのトップリングカラーがいよいよ発売です!
見かけはかわいらしいトップリングカラーですが、実はこのトップリングカラーという形状、耐久性が凄いんです!詳しくは当ブログ内の「トップリングカラー耐久テスト」をご覧下さい。
また、このかわいらしい花柄のトップリングカラーの詳細も当ブログで紹介しています。こちらの「トップリングカラー」をご覧下さい。
同じデザインのリードともコーディネートできます。おしゃれにお散歩しちゃってください!
link:トップリングカラー、リボンとテープ素材のリード
トップリングカラー
前回のブログでトップリングカラーを紹介した際、通常のノーマルタイプの首輪より耐久性があると書きました。はたして、それは事実なのか?ということで、今回は実際に強度試験機を使ってテストをしてみました。その結果はいかに・・・
左の写真は、身近にある材料を使ってノーマルタイプの首輪(左側)とトップリングカラー(右側)を作りました。普通ならサイズの調節部を入れるのですが、今回はテストということで、そのサイズ調整部は省きました。だからサイズ変更不可の首輪となりました。
各部品の留め方で、テープ素材を折り返し部品を挟んでミシン縫いをするところですが、工業用のミシンがなく、熱で溶着して取り付けています。
※余談⇒昨今の犬具は、ミシン縫い主流となっていますが、一昔前は熱による溶着が主流でした。実は、ミシン縫いと溶着では、ミシンの縫い方によっては溶着の方が強度があるかもしれません。ではなぜ、耐久力のある溶着からミシン縫いへと移行したのか?次回以降のブログで、テストも含め検証していきたいと思います。
強度試験機は台湾のGOTECH社製を使用しています。強度試験機では国産の島津製作所が有名ですが、正直、価格が高いです。台湾製だとその1/3か1/5ぐらいで買えます(※昨今の円安で価格はわかりませんが)。その代わり、メンテナンスは自分でしなくてはなりません。もちろん修理には誰も来てもらえません。だから慎重に使っています。しかし、そんな簡単に故障するものでないので、今のところ順調に動いています。
その強度試験機に首輪をセットします(右写真)。いざテストへ!
首輪は19mm幅のテープ素材で作った通常の首輪と、同じく19mm幅のトップリングカラーをテストします。1本ずつセットして、速度はマックス(と言いましても、ジィーーーという機械音とともにジワジワ引っ張るというもの)にして、スタートボタンを押してテスト開始。結果は次の通りです。
左がテスト結果です。首輪が破断したところで試験機が止まります。その破断した時の重量が記載されます。
はじめにテストしたノーマルタイプの首輪が183kgで、次にテストしたトップリングカラーが48kgです。どうですか?ってトップリングカラーの方が弱え~って思いますよね。実はこれ、私の製作ミスです。本来首輪で使われているリングを使用せず、市販のリングを使ってしまった結果なんです。
市販のリングとは、手芸屋さんで売っているリングで、1本の線材を丸い形状するとアルファベットのCの字になります。そしてリングの閉じる部分に、Cの字のように開いた口ができます。市販品はリングの口が開いた状態のまま販売されています。普通の手芸品はこれでOKです。しかし、首輪で使われているリングは、リングの口を溶接でくっつけてしまい、口が開かないようにしています。これは同じ線材を使っていても、強度は大幅に違います。
そのため今回のテストは、口が閉じていない市販品を使用したために、リングの口が容易に開いてしまい、このような結果となってしまいました。
※(左の写真)右が市販されている口が開いたリングで、左が溶接で口が閉じられたリングです。(右の写真)テストで完全に口が開いてしまったリングです。このようなリングだと、あまり耐久性は期待できません。
再度、19mmの素材で、しかも本来のリングを使用してトップリングカラーを作ってみました。さて、その結果は??
右の結果シートでわかるように、本来のリングを使用した首輪は411kgの強度がありました。つまりノーマルタイプの首輪の183kgと比較しても約2.3倍の強度があるということがわかります。
この数値って実際はどうなの?
実はノーマルタイプの首輪の強度では、183kgは大変良い結果なんです。と言いますのも19mm幅の首輪は一般的に20kgまでの中型犬仕様となっています。ペットにはよくあるJIS規格みたいなのがない代わりに、ペット用品工業会が定めた規定があり、それによると体重表記の5倍の強度があれば良いとされています。つまり20kgの仕様に対して5倍の100kgの強度があれば十分ということになります。実は個人的にはこの倍数には疑問を感じてまして、本当に5倍で大丈夫?って気がしています。
この規定が作られる前は、個々のメーカーによって規定が異なっていました。あるメーカーでは5倍で、あるメーカーでは7倍。最悪は規定そのものがなく、強度試験も行わないメーカーもあったりして、それが発端で業界的に規定を作ったとされています。個人的にはやはり愛犬は固体により性質が異なるため、5倍ではやや不安で、最低でも7倍というのが妥当じゃないかと考えます。
さて、そのことも含め結果を見ていくと、ノーマルタイプの首輪でも183kgの強度があるので、20kgの愛犬に使用しても問題はありません。トップリングカラーにいたっては411kgという結果なので、まったく問題ないですね。この数値を7で割ると50kgぐらいの愛犬にも耐えることができますが、常識的には考えられません。
もっとも試験は室内で適正な室温が保たれている環境で、引っ張るスピードもジィーーーといった遅めの速度なので、一般に使われる状況ではありません。そのため、そういった異なる環境の差も考慮して、5倍、7倍という数値が定められています。これでも今までの経験上、間違いないと思います。
よほど躾がなされてない大暴れする愛犬は別ですが・・・。犬ぞり用の大型犬種でも、瞬間引っ張り強度は500kgぐらいです。これは犬ぞり用ハーネスを用いての結果です。これが首輪だと、犬の首がへし折れてしまいます。そのことからも20kgの愛犬仕様のトップリングカラーとしては、上出来な結果ではないでしょうか。
ついでに、15mm幅の首輪でもテストをやってみました。15mm幅は通常10kg前後の小型犬仕様です。結果は果たして・・・
小型犬仕様のノーマルタイプの首輪は122kgで、トップリングカラーは397kg。約3倍の違いになりました。やはりトップリングカラーの強度は確かです。
バックルへ直接テンションをかけるか(ノーマルタイプの首輪)、間接的にかけるか(トップリングカラー)によって随分違う結果となりました。だから少しやんちゃだな~と不安なワンちゃんには、こちらのトップリングカラーをおすすめします。しかし、毎日使う首輪ですから、使用環境や状況によっても耐久性が違ってきます。強度試験としての結果は結果として、日々のお散歩前の点検だけは、お忘れなく行って欲しいと願うばかりです。
左がノーマルタイプの首輪、右がトップリングカラーの破断状態です。しかし、いずれもテープ素材を折り返してくっつけている溶着部分は破断してませんでした。次回はミシン縫いと溶着の強度と違いをテスト結果も含め説明したいと思います。
link:トップリングカラー : 引張り強度試験器【動画】
一見、バックルで留める普通の首輪に見えますが、実はこの首輪、リングが先端に付いている、少し変わった首輪なんです。
普通、プラスチック製のバックルを外して真っ直ぐにすると、バックルの凹が先端にきます。そして反対側に凸がきます。しかしこの首輪はリング(丸いカン)が先端にきます。つまりトップ(先端)にリングが付いた首輪ということで、『トップリングカラー』と名づけられています。
では一体何のためにこのような構造になっているのか?実は、トップにリングがくることで耐久性能がアップします。
通常の首輪は引っ張ると、構造上バックルに直接負荷が掛かっています。もちろんバックル自体耐久性があるため、なんら問題はありません。しかもこのようなバックルは登山用のザックなど色々なものに使われているため、耐久性は実証済みです。
しかし、リングを先端にもってくることで、より耐久性能がアップします。それは何故?構造的に先端のリングで首輪全体を引っ張るため、バックルへの負担が抑えられます。そのため、バックルの耐久性はもちろん、首輪自体の耐久力もアップします。これは構造的によく考えられた首輪です。
しかし、メリットばかりではありません。左の写真でもご覧いただけますように、バックルを留める際、バックルをリングに通す必要があります。通常の首輪はバックルだけ留めてしまえば、それでOKですが、この首輪はそうはいきません。少々愚図られると大きめのリングでさえ通しにくくなることもありえます。
また、特殊な構造のため、装着した際バックル付近のテープ素材が3重にも4重にもなって、やや厚めになってしまいます。装着すればわかりませんが、構造的に仕方ないかもしれません。ただ、装着してしまえば、普通の首輪と変わらず全く気になりませんし、装着も慣れてくれば、すんなりできます。
引っ張り過ぎるワンちゃんは、首輪の耐久性というより飼い主さんの体力と安全の方が気になるところです。そのため、しっかり躾られますことを願うばかりです。しかし、首輪が耐えてのことですので、引っ張りの強いワンちゃんにはこちらの特殊構造の首輪『トップリングカラー』をおすすめします。
また、愛犬のことを考えると長時間の係留はおすすめしませんが、構造的に係留用の首輪としてもいいかもしれません。
link:トップリングカラー